【御礼】 THE LEAFIES 2023 BEST in SHOW - 世界最優秀賞受賞について -
2023年10月26日に開催されたイギリス・ロンドンでの国際的なティーコンクール【THE LEAFIES 2023】において≪BEST in SHOW (最優秀賞)≫に選ばれました。 心より感謝申し上げます。 このコンクールは、インドや中国、スペインやNZなど世界各国から多様な320品が集います。 紅茶や白茶、釜炒りや抹茶など各部門毎に優秀賞・金賞が選出されます。部門でピンと来るお茶が無ければ選出されません。今回は50カテゴリーの中から金賞受賞茶は13。 ≪BEST in SHOW(世界最優秀賞)≫とは、金賞の中から更に最も優れたお茶を一つ選出するものです。 本大会では13の金賞受賞茶の中から当園の伝統本玉露さえみどりが選ばれました。
世界的なコンクールで小さな茶園が最優秀賞を頂けたことは望外の結果で名誉なことです。 軽い気持ちで応募して、軽い気持ちで渡英して、沢山の祝福の言葉を頂き、持ち帰ってきたものの重みを今更ながら感じております。 玉露づくりは一人の力ではできません。 茶摘みレディース&ジェントルマンの皆さん 職人気質に茶を仕上げてくれる茶工場の皆さん 忙しい時に生活を支えてくれる地域の皆さん ありがとうございました 玉露は淹れる人で味わいが大きく変わる飲み物です。 適切に適格に茶を淹れて下さった審査関係者・スタッフの皆さま 真摯にジャッジして下さった審査員の皆さま ありがとうございました 審査風景を拝見するだけで熱気が伝わり胸が熱くなりました 玉露作りに欠かせないのは土地とチャノキです。 茶に適した土地を守り続けてくれた久間家のみんな 日光に遮られながらも健気に育ってくれたチャノキ ありがとう! そして何よりも茶を喫して下さる世界中の皆さまに感謝申し上げます。 改めて主催のUK Tea Accademy、Fortnam&Maison ありがとうございました。 このコンテストは今回で2回目となります。 前回は熊本県のお茶のカジハラさんの紅茶が最優秀賞を受賞されました。 世界的なコンクールで2年連続「日本の茶(しかも九州)」が受賞しています。 日本茶はこれからますます注目されるのではないかと思います。 これからも応援どうぞ宜しくお願い致します。 【THE LEAFIES 2023】の詳細はこちらをご覧下さいhttps://www.ukteaacademy.co.uk/the-leafies/
八女茶くま園を作るまでの主観的・個人的雑感 ‐ スピーチしようと思ってたこと ‐
久間家の歴史をさかのぼりますと、少なくとも1905年ごろ・私の曾祖父の代には茶の栽培をしておりました。 玉露作りに熱心だったのは祖父の頃で、幼かった私は煎茶の茶摘みはできても玉露の茶摘みはさせて貰えませんでした。 玉露はそのくらいストイックに作っていたのだと思います。 ただ祖父の他界後日本茶業に傾斜が見え始めた頃に一旦玉露作りは途絶え久間の名前で本家と分家の2軒が煎茶作りを続けるのみとなりました。 私の母は大変寂しそうにしていたのを覚えています。 時は過ぎ、私があの頃の母の年齢になってからやっと「止めてしまったものの大切さ」を痛感し怖くなりました。 2010年に私が「八女茶くま園」というブランドを立ち上げ、久間家の茶を紹介し始めた理由はいくつかあります。 一つは「玉露づくりの再開」。 これは玉露作りを止めてしまった当時、寂しそうにしていた母に対して冷めてた自分の贖罪気持ちと、母に喜んで欲しいという純粋な子供心から来るものです。 一つは「日本茶の良さを世界中の人と分かち合い。世界中から茶を学びに来るような地域・産業を作る」。 これは前職で世界のワイン生産者に触れる中で見た茶の可能性です。有難いことにこのようなコンクールできっかけは出来つつあるので次は体制づくりです。 茶をこの土地で続けられる環境を作ることが自分個人のミッションです。 その為には市場に茶の価値を伝えること。対価として私たちも<茶を作って良かった>と実感できること。 この相互作用が欠かせないものだと考えています。 2015年に玉露園を再開してくれた久間は毎年「全国で一等一席を取ったら品評会の玉露づくりは止める」と口癖のように言っています。 その位手間と神経を使う茶なので気持ちは分かります。 が、私はそれを聞く度に「まだ玉露園を再開して10年も経ってないのにそれは困るなー」と心の中で呟いていました。 2023年は梅雨時の豪雨の土砂崩れの為茶園の一部が崩れたり全国茶品評会で思うような結果が出なかったこと等、「ヤバイかも」と思うことが重なりました。 10月中旬、今回のコンテストの結果はオンラインで伝えられました。 結果そリアルタイムで聞いた後、久間が「これだからお茶づくりはやめらん!」と言ってくれたのが小さいことかもしれませんが私にとっては大きな収穫でした。 この時、久間の親子や私の母もオンライン同席していました。 きっと子ぐま達には父の背中を、私の母には祖父の思いが形を変えて受け継がれている姿を見せられたのではないかなと思います。 授賞式に出席し、いろいろな国のいろいろな立場の人がいろいろな想いを胸に多種多様なお茶を作っていることを実感しています。 そして良い茶は言葉の壁を越えて皆で称えあうことができる。「日本にはこんな良い茶があるんだよ」と驚きと感想をお持ち帰り頂ければ嬉しいです。 ありがとうございました。2023.11.08 八女茶くま園 中谷 一美